そういえば去年の夏、山で死んだはずの友達に会った。 「久しぶり」 「そういえばそうだね」 「じゃあ、また」 「そのうち、ね」 そんな感じで別れたけれど、やっぱり涙が出た。なんで今まで忘れてたんだろう？ >> お盆だからね

同僚の話。彼は仕事の関係で、ある山中のダムへ足を運んでいる。いつの間にかそこの管理人さんと仲良くなり、四方山話などするようになった。聞かせてもらった話の中に、ひどく不気味な物があったという。 ダムの一角に、下の水面が覗き […]

１月の終わり、山守りのハルさんは山の見回りを終えて山を下っていた。左側の谷から、強烈な北風に舞い上がった粉雪が吹き付けてくる。ちょっとした吹雪のような「もどり雪」だった。と――雪煙の向こうに人影が見えた。 道端にある山土 […]

同僚の旦那がまだ中学生の頃。釣りが趣味だった彼は幼なじみの友人と、良く夜釣りに出かけていた。彼らが見付けた穴場は山の中腹近くを沿っている道をぐるりと回って出た所にあった。 その夜も彼は日付が代わってから友人と家を出た。早 […]

俺の地元はかなり田舎で、周りが山ばっかり。そんなわけで、近所の家も数件しかなかったんだが、その中に犬を飼っているS家があった。そのS家の家族は犬の世話をロクにせず散歩にも行かず、一日中繋ぎっぱなしだった。おまけに犬が死ん […]

小学生だった時の話。ある夏の日、スイミングスクールの行事か何かで、キャンプへ行った。夜は、テントではなくバンガローに布団を敷いて寝た。私は怖がりなので、真ん中に寝たかったのだが、内向的な性格が災いして、結局ドア前の場所に […]

源平合戦の時代から明治維新まで、交通の要衝を見下ろすその山では、何度も激戦が繰り広げられた。俺は、山に踏み込んでから、寒気や痺れを感じ続けていた。馬鹿でかい慰霊碑の前では呼吸が苦しく、顔を上げることさえできなかった。 慰 […]

おまいらな、樹海で一番恐ろしい死に方って知ってっか？首吊りなんて死にたくて死ぬんだからまだイイんだよ。一番恐ろしいのはな、自殺したくて樹海の奥に入ったけど、やっぱり気が変わって出ようとするが、もちろん出れなくて、やがて周 […]

葬儀屋に勤めている私は、出来心から霊安室の棺桶を開けてノックしてみることにしました。その日の夕方にあるお通夜に必要なものをそろえに倉庫へ行った時のことでした。そのフロアは昼間でも薄暗く、霊安室もあるので職員皆苦手でした。 […]

住宅街の丘陵地の話なのですが･･･数年前、不動産探しをしていた時の事です。少ない予算でどうにか買える物件を探し、チラシ片手にあちこち訪れていました。旦那も私も自然が好きなので、雑木林や小高い山の斜面の分譲地などを中心に見 […]