【不可解】二十年前に聞いた女性の声

小学生だった時の話。ある夏の日、スイミングスクールの行事か何かで、キャンプへ行った。夜は、テントではなくバンガローに布団を敷いて寝た。私は怖がりなので、真ん中に寝たかったのだが、内向的な性格が災いして、結局ドア前の場所になってしまい、憂鬱だった。夜も更けてどのくらい時間がたったか、いつの間にか寝いっていたようだ。ふと、後ろで誰か喋っているのに気が付いた。女の人の声だ。
「寒い」

自分が端っこに寝てたっけ。と気づいた瞬間、私は恐怖で飛び起きて、隣に寝ていた友人に助けをもとめようとした。腰が立たず、ただ四つんばいになってアワアワしていた。
「寒い…寒い…寒い!」
エコーのかかったような大きな声が、部屋中に響いた。友人はぐっすり寝ていて、そんな声は聞こえなかったという。恐怖で錯乱ぎみだった私は、懇願して彼女の布団に入れてもらって震えていた。二十年たった今でも、本当にはっきりと声が聞こえたのを思い出す。ただの幻聴か、それとも何かと波長が合ってしまったのか…。

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