供のころ実家の近くの山で遊んだことがあるのだが、そのとき妙な体験をしたことがある。山の中を歩いているとどこからか「きょうきょう、きょうきょう」というそれまで聞いたことの無い奇妙な鳴き声のようなものが聞こえてきたのだ。
おかしな声で鳴く鳥がいるものだな、と思ったが特に気にせず歩いていると、突然近くの竹薮の中からその鳴き声とともにこちらに走って近づいてくる足音が聞こえてきた。びっくりしてもと来た道を走って逃げると鳴き声と足音は追いかけてきた。しばらくするとどうやら追いかけてこなくなったようなので安心して家に帰った。その晩家の屋根の上で一晩中あの声が鳴き続けたため一睡もできなかった。