【ほのぼのする怖い話】高円寺の小さな老婆

以前、杉並の高円寺に住んでいた時の体験です。怖いというより、ほのぼのといった感じでしょうか。ある朝、寒さでいつもより早く目が覚めました。夜が白々と明けてきた頃です。ん?…この寒さは雪でも降り始めたかな~?そう思い、窓のカーテンを開けようと起き上がった時ベランダの側に置いてある籐家具の上になにか気配を感じます。

えっ?と思いよく見ると、あの有名なお煎餅『ぽたぽた焼き』のおばあちゃんみたいなほのぼのとした小柄なおばあちゃんが、ちょこんっと座ってるのです!!2・3秒でしょうか?目が合いました!おばあちゃん、目をパチクリして『おや、おや』って感じですごく可愛らしいの。

……『イヤだ、私ったら、寝ぼけてるのね』そう解釈しない事には説明がつきません。だって、戸締り完璧にしてる我が家に泥棒が入るなんて…。しかも、仏様の様な顔したおばあちゃんが泥棒なんてする訳ないし…。

再び眠りにつき、数時間後、仕事へと出掛けるため表へ出ると2件隣のおばあちゃんが今朝方亡くなったとかで遺族の方がお通夜の準備に慌ただしくしていました。
『あぁ、あの、おばあちゃんかも』
おばあちゃんの様子からしてきっと天国へ行けたんだろうな。他人事ながら、安心したというか、ほのぼのとした体験でした。

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