じいちゃんが漁師だったんだけど、海坊主は本当にいるらしいよ。恐怖心から幻を見た、とか漁師の間での法螺話とかじゃなくって。それこそ水木しげるの絵みたいのが海からザパーって顔出してこっち見てるんだって。ジーっと。色は聞いてないけど、鯨とかじゃなくって本当にデカイ人なんだっていってた。じいちゃんは小船でほそぼそ漁をする人だったんで、沖で船ひっくり返されたら死ぬっつうんでひっしこいて土下座して帰ってもらってたって言ってた。親父に、「じいちゃん昔もそういうこと言ってた？」って聞いたら「いっぺん気触れたみたいに騒ぎながら海坊主だ！海坊主だ！って叫びながら家帰ってきたことがある」とのこと。
もちろんじいちゃんが言ってたからそれで正しいってこともないだろうしそれに南極の話じゃないからどうかと思うけど、でも一応似た話「海坊主の白く透き通る肌」だと思ったんで書いときました。ちなみにじいちゃんは今も93歳で元気です。道東の話です。