入院していた祖父の死期

祖父は入院中だったが、術後で体調が安定したので外泊した。翌朝に祖父が起きると、突然「今日ぼくは死ぬから、(うちの父で医者)君を呼びなさい」と伯母に言った。その頃には祖父は少しぼけていたし、「明日また入院するんだから、顔色もいいし大丈夫よ。迷惑でしょう」と取り合わなかった。その日の午後、祖父は「○田×男、○月○日、88歳。(祖母)をよろしく、頼む」と力強く言ったあと、お気に入りの椅子で居眠りをはじめ、気づいたら息をしていなかったそう。かっこよすぎですおじいちゃん。私も病院勤めだけれど、老衰でもないのに「今日死ぬよ」と言って、そんな風に穏やかにいく人にはまだ会ったことはない。

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