一家心中のあった家で

俺の友達から聞いた話です。友達と友達の兄貴とその仲間で心霊スポットに行くのが遊びになっていたみたいです。普段は心霊スポットに行っても『何もなかったわ』って言って帰ってくるんです。
『最近さぁ怨念地図(コンビニとかで売ってる心霊スポットが乗っている地図)の場所行ったってつまんないから近くにある一家心中のとこ行くべや』と一人が言い出しました。

場所はT県N市。誰も絶対近寄らない場所(取り壊そうとしてもトラブルがあったり工事の人が死んじゃったりするから)ですが結局行ってしまったそうです。着いてみたら、有刺鉄線やら木材やらがあって人が入れないようになっていますが、そんな事はおかまいなしで入りました。入ってみたらごく普通の家。みんなで『ホントに人死んだんかよぉ~』などとビール片手に笑っていました。

だけど、友達だけは『ここ絶対ヤバい…』と思ったそうです。しかし兄貴や仲間は元暴走族で、友達は逆らえなくて『もう帰ろう』とは言えなかったそうです。そして階段を登ろうとしたら…人が必死で逃げたであろう跡や髪の毛、階段の壁に点々とついた赤黒いシミ…ここでものスゴい頭痛に襲われ意識が朦朧としてきて…『オメェは使えねぇから車戻ってろ』と兄貴に言われて車に戻りました。

自然と頭痛が治まり、もう一度だけ玄関の所に行ってみました。玄関の横に階段があり、階段の上を見てたら兄貴とその仲間達が絶叫しながら階段を降りてきました。みんな車に乗り込みエンジンをかけて近くのコンビニにかけこみ、何があったのかしっかり聞いたそうです…。友達が『何があった??』って聞いたら、兄貴が『先に〇也が奥の部屋に入ったんだ。部屋の外から一人で入った〇也を見てたら物凄い勢いでドアがしまったんだよ!!!〇也を呼びながらドアを開けようとしても開かなくて…ドアノブの所から血みたいな液体と髪の毛がズルズルでてきたんだよ…それから……』

『か……に………はい…………るのは……や??…ころ…ぞ』
最初は雑音しか聞こえなくて必死にドアを開けようとしていたら今度ははっきり聞こえたんだよ…
『勝手に入ってきてるのは誰や…??殺すぞ』
〇也という友達をおいてきてしまい、スゴい心配でしたがまた戻るのはヤバいという事で警察に事情を説明して一緒に行ってもらう事にしました。

警察は兄貴を見るなり『ははっ!!〇〇、やっと出頭してきたんかよぉ』と冗談半分で言ってましたが兄貴の腕を見てただごとじゃないと思いました。さっきの血が…もう一度戻り今度は友達も中に入り、警察が先頭で階段を登っていきました。そして奥の部屋のドアに近付いたら…キキキィィィ~…と、ドアが開いたのです。警察が中を懐中電灯で照らしたら…真っ白い顔をし、何かを呟きながら絵を書いていました。警察が大丈夫かと近寄ったら…『ねぇ、私の邪魔しないでね…』と女の子の声で…。
死ぬほど怖かったけど一応連れて病院に行きました。

おかしくなってしまった〇也が画用紙みたいなのをもっていて、それをとって見てみたら…一家心中があった家は両親、長女、長男、次男の五人家族。絵には…人が五人書いてあって、お父さん、お母さん、〇〇お姉ちゃん、〇〇お兄ちゃん、僕って書いてありました。しかもそこに住んでて心中で死んでしまった子供の名前と一致…

〇〇也は精神的にもおかしくなり、不可解な行動もしてましたが二周間後に死亡…。死ぬ少し前には『なんで僕は死んだんだよ』と叫んだそうです…。

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