足元を這いあがってくる落武者

実際に僕が体験した話です。
小学生の頃、一軒家に住んでいました。その頃から疲れた時、金縛りによくなっていました。毎回、やっとの思いで脱出していました。

しばらくして近所のマンションに引越しをしました。僕の部屋は初め6畳間のベランダに面した部屋でした。引越しをしてからの金縛りはなんだか疲れとは違う感覚でした。誰かの視線があったり足元が妙に重かったり…。怖かった記憶はありますが〈ヤバい〉とは1度も思いませんでした。

それから部屋変えをし、今度は玄関に一番近い4畳半の部屋になりました。狭かったけれど結構気に入っていました。ある日、いつもの様に布団に入り寝ていました。すると、金縛りになったんです。引越しをしてから回数も増えて慣れに慣れていました。

ですが、いつもの違和感だけではなかったんです。足元からズリズリと這ってくる人が居る。しかも鎧を着た武者みたいな人。だけど肉が付いてない‥骸骨。怖くて怖くて目を閉じていたのに何故かソレが判るんです。僕が使っていたベッドはロフトベッドで誰かが上がってくると音ですぐ判ります。だけど金具の音は全くしない。ズッシリとした鎧の音はする。

初めて〈目を開けたら絶対にヤバい!!〉と思いました。逃げたくても金縛りで動けない。次第に足元から胸の辺りまで上がってきました。ソコから僕の記憶はありません。

あれからまた引越しをし、パタリと金縛りにはならなくなりました。あのマンション、あの部屋がよくなかったのでしょうか‥部屋は403号室です。あの武者の様な奴はいつからアノ場所に居たのでしょうか。引越してしまった今では何も判りません。

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