女幽霊を乗せたタクシーの都市伝説の真相

青山墓地において女幽霊を乗せるタクシーの都市伝説はあまりにも有名である。
深夜、タクシーが青山墓地で女性を乗せ、自宅へ向う。自宅に着くと女性は料金をとりに家に入るが、一向に出てくる様子が無く、しびれを切らした運転手が自宅をノックすると、女性の親らしき人物が出てきて、女性が既に亡くなった娘であることを告げる…という内容である。

実は、この噂は昭和7年10月3日・報知新聞に掲載された一つの記事が原因となり都市伝説化していったものなのだ。昭和7年当時のタクシーシステムは現在とは違い、口約束(圓タク)で客を乗せる方式が採用されており、その日、運転手・横尾政一(23)さんは青山墓地に立つ女性を下谷まで50銭の口約束で乗車させた。

その後、タクシーが台東区谷中町にある女性の自宅に到着すると、「ここが私の家です」と言って、女性が料金をとりに入ったのだった。ところが、そのあと家から出て来る気配が全くみられなかったため、運転手が自宅をノックしてみたのである。すると、彼女の親があらわれ、その日が娘の命日であることを告げたのだ。

そして、50銭の倍にあたる一円を運転手に差し出した…という嘘のような本当の記事が掲載されており、この話が形を変えて今もなお、怪談話として存続しているのである。

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