鎧武者の話。観光業者で働いていた頃、研修で源義朝(義経の父)の首を洗った首洗い池で有名な○知県のとあるお寺へ行った。最初から嫌な雰囲気はしていたが、そんな経験もあまりなかったので、まさかと思っていた。寺内が異常な程寒い…。しかし一歩寺外に出るど氷が溶けていくような感覚で体が暖かくなる。おかしいな…最初はそんな感想。帰ってお風呂に入る。
何か気配がする…。フローリングの床を移動する足音がする…。金属音も一緒に聞こえる。鎧を着た何者かが歩いているような音だ。怖くてその晩、一睡もできなかった。
朝歯磨きと洗顔をする。姿は見えないけど、確実に誰かいると確信した。姿は見えないが、この人は武者だと鮮明なイメージが頭のなかにわく。仕事の休みをもらって、善意のお寺へ…坊さまが来るなり笑ってる…とりあえず年令を聞かれる。凶の年らしい。死者と波長があってしまって、あなたの後ろには鎧を着た武者がいると言われた。イメージした人と同じと言うとここまで波長が合うのも珍しい事と言われた。お祓いしてもらう。体が痛い。お札とお守りをもらう、今年一年お守りは絶対肌身離さずと言われた。
「凶年なのでいつまた波長が合うかわからない」と、坊さまのその言葉が一番怖かった…
その武者は義朝の従者との事でした。