この話は当時小学校低学年だった頃のあかねちゃんが体験した話です。
その日はちょうどお盆であかねちゃんは家族と県外の田舎の親戚の家に挨拶もかねて逢いに行きました。そこは片田舎で都会育ちのあかねちゃんには新鮮に感じて一日中遊び回りました。そのせいか夜の9時前の風呂上がりにはくたくたで眠くなったので、父や母は親戚の人と酒をかわし語り合っていたが、自分だけ先に寝る事を告げ、寝室に向かいました。親戚の用意してくれた布団を広げ、すぐさま眠りにつきました。
それからしばらくすると「さきちゃん、さきちゃん」と女の子が誰かを呼んでいる声に目が覚めました。
「さきちゃん、さきちゃん」
その声は寝室のすぐ近くで聞こえたのであかねちゃんは 『この近所の子がさきちゃんて子と遊んでるのかなぁ』と思い、また眠ろうとしました。
「さきちゃん、さきちゃんてば」
しかしその声はどうも自分に向かって呼んでいるような気がしたので、あかねちゃんはその声のする方を見ました。すると寝室の半透明の窓に赤いワンピースを着たおかっぱの女の子があかねちゃんの方を向いて立っていました。窓が半透明なのではっきりした顔は見えなかったんですが、自分と同じ年くらいの子くらいは解ったそうです。親戚の人の家系にも『さき』って子はいないので、さきちゃんの家はここじゃないよ、早く帰ってよ!と心で叫び、顔を布団で隠しました。
すると「さきちゃん、さきちゃん明日何して遊ぶ?」とさっきまで外でしていた声が今度は寝室の中から聞こえてきました。あかねちゃんはこの時気付きました。『この子は人間じゃない』と。あかねちゃんの目は完全に覚め、止まらない震えを押さえ、布団の中で息を殺しました。
「さきちゃん明日何して遊ぶ、さきちゃん明日何する?」
一言一言ずつあかねちゃんに近づいてくるその声はあかねちゃんの布団の前まで近づいて来ました。
『お願いだから帰ってよ、帰ってよ。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…』とあかねちゃんは震える声でお興を唱えました。
「さきちゃ~ん、さきちゃ~ん」
とうとうあかねちゃんの顔の真横、息づかいまでも鮮明に聞こえるくらいまで近づいて来ました。
『南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、帰ってよ、帰ってよ』
そのあかねちゃんの言葉に。
「さきちゃん、そんな事しても行かないよ」
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それで!?