これは、私が小学三年生の頃の話なんですけどね。母親の体験なんですけど。夏休、父のボーナスも多めに出たと言う事で四国の高松に家族全員でキャンプに行く事になったんです。両親、姉、私の四人で行く事になりました。
そこのキャンプ場に入った時、私は何か、こう…変な感じがしたんです。空気がドロっと淀んでいる…。気のせいだと思ったんです。私は、朝、少し風邪を引いてしまって。そのせいだと思ってたんです。そのキャンプ場は、大きな階段状になっていて、段それぞれにテントとめる所があるんです。森に囲まれたきれいな所だったんですけどね。その夜の事なんです。
母が、夜中にトイレに行ったんです。急に…ハッて、起きてね。そしたら、私達家族のテントがある段の一番端に深緑の見た事も無いテントがあったんです。キャンプ場の温泉から戻って来た時はなかったんですけどね。
「おかしいなぁ、それにしても、古そうなテント。」
母は少し気になりながらもトイレに行って用を済ましてテントのある段に帰ってきたんです。そしたらその、深緑のテントから変な話声が聞こえるんです。ボソボソ…ボソボソ…ってね。男の人…?が、三人くらいの話声なんですけどね。ボソボソ…ボソボソ…って。
母は結構気が強くて、そんな簡単にはビビらないんです。普通に家族のテントに帰って来ました。(母以外全員寝ていた)そして、母が寝ようと毛布に入ろうとした時。金縛り。ピーンと、体が動かなくなって。
「うわっ、きた!」
って、母もさすがに怖くなって。でも、目だけは動くんです。そして、おそるおそる、目を足の方にやると…兵隊らしき男三人がたっていたんです。ガリガリに痩せ細った…母はそのまま気を失ってしまったんです。
翌日、隣のテントは消えていたそうです。と言うか、四国になんで兵隊が……?詳しい事誰か知りません?母は僕が小六の時にこの話をしてくれました。