前世の記憶

僕が15、16才だったとき、3、4才の妹が、洗面台に置いてあった緑色の除光液を、マウスウォッシュだと間違えて飲んでしまったんだ。すぐに近所の薬局の人に、誤飲用の薬を持ってきてもらって、妹にそれを飲ませたんだ。妹は洗面所の床に横たわって苦しんでいたんだけど、しばらくしてこんなことを口にし始めた。

「昔、緑色の液体を飲んで死んだことがあるの。私の夫が子供を連れて家を出て行ってしまったから、悲しくなって、その緑色の液体を飲んで、死んだの。私が死んだとき、子供たちは泣いていたわ」。僕たちは妹がそんなことを口にして怖くなったけど、もしかしたら妹は前世の話をしていたのかもしれない。

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