大した話ではないんだけど、ふと思い出した。小学6年生くらいの時、友達3、4人引き連れて週2くらいのペースで近くの河川敷の鬱蒼とした森(かなりの規模)にエ□本を探しに行っていた。その日もいつもの如く放課後、現地へ向かったが友人の一人が「今日は向こうを調査しよう」と言ったので普段探索している方の対岸の森へ入っていった。
探索を始めてかなりの時間が経過したが目ぼしい物は発見できず、収穫と言えばビリビリのパンストを一つ発見したのに留まり、一同激しく落胆していた。奥に進むか迷っていたその時だった。
友人A「何か聞こえない?」
友人B「笛?」
確かに何やらリコーダーのような音色が聞こえた。
俺「歌ってね?」
更に微かにではあるが笛のメロディに合わせて女の人の歌声が聞こえる。凄く綺麗な声。
その時、Cが突如凄い速さで走り出した。
C「女神だ!裸の女神だ!」
声の方へ!俺らは一気に色めきたった。こんな所に普通の人が居るわけがない。不思議なことに声の主が間違いなく裸のお姉さんだと信じきっていた。みんな全力で走った。そこにいけばお姉さんがいいことをしてくれる気がした。明らかに声が近づいてくる。遠くに微かに明るい場所が見える。
俺「あれ?」
突然歌声が聞こえなくなった。そして、森の中だと言うのに約20メートルにわたって木が無く、何故か砂利が敷き詰められている円形の空間にたどり着いた。一同呆然。
C「あれを見ろ!」
その空間の中心に雑誌とおぼしきものがある。少年ジャンプだった。またもや声を失い、その後ジャンプをビリビリに破り、その場を立ち去った。帰路に向かう途中、友人Cは確かに女神のような姿がいきなり頭に浮かんだのだと言う。いや、実は俺もはっきり見えたんだ。何か貝の中に座ってる女の絵(名前忘れた)の女が突然頭に浮かんだんだ。そしてその女は手招きしていた。あれは何だったんだろう。その後例の空間を2度訪れたが、一度目は未使用の花火セット(皆で折った)二度目は赤い紙テープが置いてあった。
余談だが、いつも探索していた方の森でも色々あった。ある日、いきなり外人が木陰からあらわれて、泣きながら手招きしてきた。びびりつつもその方向へ行ってみると、明らかに人為的に積まれた石があり、てっぺんに棒が刺さっている。(多分何かの墓)外人は何か言ってたが、恐らく英語なので聞き取れなかった。みんなどうしたらいいのか分からないので、とりあえず墓に向かって祈りまくった。外人は暫く泣いていたが、俺らはグッバイと大声で叫び立ち去った。多分自分がまだ子供だったからだと思うが、今考えても本当に謎多き森だった。