首に浮き上がってくる「痣」

以前住んでいた家は2階建てだったのですが、1階は祖父の運営する工場となっていました。 祖父の粋な計らいで子供用の屋根裏部屋を作ってもらえることになり、私たち兄弟は相当喜んでいました。ところが、部屋ができたころから不可解な出来事が相次いで起こるようになったのです。

屋根裏部屋ができてすぐの頃は喜んでそこに入りびたっていましたが、しばらくすると弟たちは徐々に元の子供部屋で過ごすようになりました。私は長女として「せっかく祖父が作ってくれたのだから」と思い、夜はそこで寝るようにしていました。その頃、ある日を境に毎晩何者かの足音が聞こえるようになりました。屋根裏に続く階段を3段ほど登ってそのまま降り、ひたひたとどこかへ歩いていくような音です。それからも、私は変わらず毎晩そこで寝ていました。

ちょうどその頃、我が家に人感センサー付きのライトが設置されました。当時飼っていたうさぎが野良猫にいじめられたので、その対策として付けられたものでした。しかし、猫では小さすぎてセンサーが反応せず、両親が「失敗だったね」などと話しているのを聞きました。その数日後、弟がいじめにあっているという事実が判明しました。弟の首には痛々しい紫色のあざ。問い詰めるといじめについては話してくれましたが、あざについては「本当にわからない」と泣きながら話していました。

てっきり弟が相手方をかばって隠しているのだと思っていたのですが、そのうち母の首にも奇妙なあざが浮かんでくるようになりました。父が高校の友達との飲み会でその話をすると、後日自称霊能者(高校の友達の友達)と母と弟と私が話をすることになりました。その人は普通に人当たりのよさそうな中年の女の人だったのですが、弟と母の首のあざを見て突然目をつぶり、「玄関から入ってすぐ近くに人形がありますか?」と言いました。

母は「玄関入ってすぐ隣の押入れの上の段に雛人形が」と答えました。それを聞いた自称霊能者は首のあざはその雛人形のせいだといいました。帰ってすぐ母がその人形を処分しようと取り出してみたところ、雛人形の髪型が崩れないようにとかぶせていた布が人形の首にぐるぐると巻きついていたそうです。

その後、母に頼んでもう一度その人に会い、私が体験した夜中の足音について話をしました。その人は勝手に部屋を作ったことでもともと家にいた害のない霊かなにか(記憶があやふやですいません)が怒っていたということでした。今では供養をしてもらって何も起こらなくなりました。

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