これは小生が学生時代に友人から「今まで聞いた中で一番コワイ怪談」として教えてもらったモノです。
あるところに女の子がいた。その子はある日、夢を見た。その夢の内容はこんな感じだった。「塾の帰りに、赤いクルマがゆっくりと後をつけてくる。怖くなった彼女は、帰り道にあった公衆電話で家に電話した。『ママ、いま塾の帰りなんだけど、変なクルマが後をつけてくるの』『気のせいよ。もう遅いんだから早く帰ってきなさい』女の子は考えすぎだと自分に言い聞かせ、早足で家に向かった。クルマはやはりついてくる。やっと家の玄関前までたどり着き『やっぱり気のせいだったんだ』と思った瞬間、クルマは突然スピードを上げ、女の子ははねられてしまった」そこで夢から目が覚めた。
その日の朝、朝ご飯を食べながらお母さんに夢の話をした。お母さんは『なんだかイヤな夢ねぇ』と言っていた。数日後、やはり塾の帰りに赤いクルマが後をつけてきた。女の子は怖くなって、公衆電話から家に電話しようとした。が、ふっと思った。『ここで電話したら、夢とおんなじになっちゃうかも知れない』そう思った彼女は、わざと遠回りをすることにした。しかし、赤いクルマも同じようについてくる。別な公衆電話を必死で探し、お母さんに電話をした。
『ママ、いま塾の帰りなんだけど、変なクルマが後をつけてくるの』お母さんは先日の話を聞いていたので、すぐに女の子の言うことを信用した。『今どこの公衆電話なの?ママがすぐ迎えに行くから、そこで待ってなさい』お母さんと二人で家に帰る途中も、ずっと赤いクルマはつけてくる。やっと家の玄関までたどり着き、門の中に入った。すると、赤いクルマが突然スルスルと門の前まで来て、クルマの窓がキリキリキリ…と音を立てて開き、中から声が聞こえてきた。
『おい、夢と違うじゃないか』