【ワープ】深夜の体育館の扉の向こう

中学校1年の時の夏休み、部活で合宿に行った。




合宿所の体育館で遅くまで練習した後、三年の先輩に付き合ってもらい、練習していた。フローターは同級生で一番最初に打てるようになったのに、ドライブがどうしても打てなくて、悔しくて何度も先輩に教えてもらってた。一年生で部で一番チビなのに、2年生を飛び越してレギュラーになってたから、2年生には苛められていた。でも、実力が伴えば良いんだと思って、いつも必死で練習していた。

先輩達は「明日は練習試合があるんだからね」と言って、先に寝てしまった。一人で11時ごろまで練習したあと、全部片付けて、ちょっと夜風に当たろうと思って体育館の外側の扉を開いたら、そこは体育館だった。そして、部の皆が練習していた。黙々と掛け声もかけずに練習していた。

「えぇええ、皆練習してるんですか?言ってくれれば良かったのに!」と言いながら中に入ろうとしたら、私のポジション(セッター)のところに、私がいた。しかも、目が合った。気味悪くなって、扉を閉めて鍵を閉めたら、ドンドンドンドン扉叩かれた。怖くなって逃げた。ロビーに顧問先生(女)と監督先生(男)がいた。

「先生~~!!」と私は先生に抱きついて泣き出した。怖かった。全部話すと、顧問先生は「あんたは練習熱心だから、ちょっと疲れちゃったんじゃないの?」と言われ、でも、余りにも怖かったし、体育館の電気を消さずに走ってきてしまったので、
監督先生について来てもらって確かめに行った。監督先生は、その年に先生になったばっかりの新米先生だった。

体育館に着くと、問題の扉を開けてみた。やっぱり体育館があって、監督先生も、「自分」と会った。私はその場で尻餅をついてしまい、監督先生におぶわれた。急いで電気を消して、ロビーまで戻った。

次に顧問先生と先輩達が行くと、あったのは断崖絶壁の海だったそうな。あれはなんだったんだろうねと、20歳過ぎた今でも、たまに監督先生と会うと話してる。

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