これは、僕の友人の家族に起こった実話です。
僕が中学校の時、友人のMの一家が引っ越すことになりました。アパートに家族4人で暮らしていたM一家は、中古の安い一軒家を見つけ、家族全員一致で購入することになりました。そうして築18年という中古住宅に移り住みました。住宅街から少し離れた場所ですが、古い割には建物の状態も良く、日当りの良い南向きの和式住宅で狭いながらも庭と車庫があり、みな大満足で住み始めたといいます。
一階はお父さんとお母さんが、2階にMと妹が一部屋ずつに住むという憧れの生活のスタートだったと言ってます。最初のうちは、何事もなく、家族全員大満足で暮らしていましたが、Mは、妙に気になることがあったそうです。それは、夜中に妹の部屋から毎晩聞こえてくる悩ましいような喘ぎ声、その後のうっすらと聞こえるひそひそ話のような会話でした。妹に、「お前毎晩誰か部屋に来てるだろ!」と聞いても「誰もいるわけ無いでしょ!」と軽くあしらわれ、不信に思っていました。
確かに妹はまだ中学1年で、真面目な性格だし、男を連れ込むというのは考えられない事です。それからも、何回となく、妹の喘ぎ声が聞こえ、その後ひそひそ話の会話が聞こえます。どうにもおかしいと思い、Mは夜中になると妹の部屋の方に聞き耳を立てるようになりました。すると、やはり、何時ものように妹の部屋から喘ぎ声が聞こえてきました。そしてしばらくすると、ひそひそ話が聞こえてきます。
相手の名前も聞こえたので、次の日、お前、昨日「○○○って奴が来てただろ!」というと、「来てるわけないでしょ!」と逆切れされたそうです。その後も、同じことが続き話を聞いていると、毎日、相手の男の名前が違うことに気づきました。ですが、どの日も、喘ぎ声の後は、とても親しそうに話してたというんです。
そんなある日、Mがたまたま、階段を1、2、3、と数えながら上がっていくと、最後の数字が13で終わりました。何となく、13階段って良くないという記憶があったので、食事の時に家族の前で言ってみたそうです。
その時に、母が一言!
「そういえば、この家に来てから、男の子が階段を上っていく気がして、Mかと思い何回か呼んだけど、返事もなく変だと思ったことがある。」と言うのです。Mは、喘ぎ声の事は伏せて、「妹の部屋で夜中に男との話し声がする。しかも、毎回違う名前の男の名前を呼んでいる。」と報告したそうです。
その時の妹の一言が「私は何も変なことは無いなー!ただ、最近酸っぱい物が好きになった位かなー!」妹の一言に、Mは背筋が寒くなったそうです。その後、暫くして、Mの一家は突然何処かへ引っ越していってしまいました。
妹さんに何かあったのでしょうか?
そして、13階段と関係があったのか、とても不思議です。