【妖怪体験談】山で狐火を撮影中現れた妖怪ぬりかべ

青白い光が幾つも前方に見える

その日は祖父がどうしてもたらの芽の天ぷらが食べたいと言うので、森の反対側にある定位置に弟と採りに行った。

なかなか良い大きさのたらの芽が見つからず、家の者全員がまあまあ満足出来る量を集めるのに時間が掛かってしまった。帰るころには陽が傾き始めた。暗くなるとろくな事がない、弟と急ぎ足で家に向かった。半ばまで戻ったころには森の中はかなり暗くなっていた。そんな時に狐火を見かけて嫌な気分になった。良く見るといまや数え切れないほどに増えた青白い光が。何かの周りをぐるぐると回っている

その時、ピカッとカメラのフラッシュのような光が瞬いた。すると狐火が瞬時に消えた。まさかもっと嫌な物が出たのでは?私は遠回りしてでもその場所を避けたかったが、弟はずんずんと進んでいく。

どうも家の弟は少し鈍いところがあるようだ…orz

弟は真っ直ぐに狐火のたかっていた場所へ進んでいく、そして、「大丈夫ですかぁ!」と何かに向かって大声を出した。そこには首からカメラを下げ左手に鈍く光る銀色の棒を持った男が呆けたように突っ立っていた。とにかく男を家に連れて帰ると宣言した弟が道々聞き出した話は呆れると言うか何と言うか、わざわざ森の変なものを撮影に来のだとか。そんな話を二人の後ろについて歩きながら聞いていると、私たちの周りに狐火が現れ始めた。この男よっぽど気に入られたようだ。

「あ、まただ!」男が小さく叫ぶと同時に三人共進めなくなった。前を見ると暗灰色の壁が森の木々より高く私たちの歩いている小道をふさぎ聳え立っていた。「さっきから何回もだ、いったい何なんだぁ!」この男には壁だけでなく狐火すら見えていないようだ、男がカメラを手に取ったのを制して弟が杖代わりにしていた木の枝を壁の根本に軽く放った。轟音をたてて壁が崩れてゆく。目の前で崩壊しているのに小片ひとつ降りかかって来ない。

と、ベチャリと音がした。そこには何か動物の糞に顔をうづめた男が呻いていた。フラッシュなど光らせるからおもしろがられる。まったく化かされるにも程がある…orz


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