『生殺与奪の権利』を与えられた家系の話

法事で実家に帰った時、叔父と二人で飲んでいたら、この家にも昔は変な習慣があったんだよ、って酔っ払いながら教えてくれた。それと関係あるのかわかりませんが、うちの家系は祖母が言うには領主様から一定の地域の※生殺与奪の権利(せいさつよだつのけんり)が与えられてる家だったみたいです。※生殺与奪の権利(せいさつよだつのけんり)とは、他人に対して「生かす」か「殺す」かを選択できる権利のこと。

叔父が言う儀式ですが、初潮を迎える前の女の子を家系の中から選び、山の鬼に捧げるという儀式との事。叔父も詳しくはわからないようでしたが、この因習が嫌で夜逃げした家族もあったみたいでした。私は信じてはいませんでしたが面白かったので興味津々でした。それから実家は、よく因習系の怖い話に出てくる大きな家でもなく、蔵があるとかでもありません。ごく普通の田舎の住宅街の一軒家です。

興味津々の私は次の日に母にそのことを聴いてみました。すると以外にも「知ってる知ってる」と子供みたいにはしゃぎだしました。母は父の母(義母)に教えてもらったらしいのですが、その時は夏の怪談みたいな感じで教えてもらったとの事です。母も全部は信じてはいない話し方でしたが、知ってることを教えてくれました。儀式に使う女の子は家系の中から選ばれる。女の子は夜のうちに山につれて行かれてヒモでぐるぐるまきにされた後、山の頂上付近の井戸みたいなところに入れられ吊るされる。3日くらいしてから引き上げるとほとんど骨になっている、との事でした。

義母は(私からすると祖母)は昔から賢い人で、たぶん穴の中の虫や小動物が体を食べてると言ってたそうですが、他の大人は山にいる石鬼という神が娘を食べてると本気で思ってたみたいです。私もすごい時代だな~、と思いながら聞いていました。それから実家から帰って夫にその話をすると夫は興奮した様子で「その話ネットで読んだ事ある!」といってパソコンで探してくれました。それがイオキという話でした。

あまり詳しくは書けません。ご了承下さい。名前も仮名です。確かに似ている所もありますし、地方も同じです。夫は興奮して「俺も法事に行けばよかった」と言って悔やんでいました(笑)自分にはそんな因習なんて無関係だと思っていたのに、その家系の血が流れてると思うと少し怖く思いました。

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