自分が小学校のころ、くねくねの様なものにあったことがあります。従兄弟といっしょに川っぷちに言ったら、ゆれてるんです。3本くらい。なんかこう、ムーミンにでてくるニョロニョロと昆布と和紙を混ぜたような、非常に表現しがたい物体がゆれているんです。
「なんだありゃ」
全員一致の反応でした。
怖くもなく、逃げようとも思わず、その物体をじーーーっと見てました。10分くらいにらめっこしていたんです。石投げたり、呼びかけたりしました。反応はありません。そんな折、従兄弟の一人がいいました。
「あれ、くねくねじゃないか?」
そして彼はくねくねの怖い話をしてくれました。そのあと再びその物体に目をやりましたが、何も感じません。誰一人として発狂もせず、家路について、すべてを祖父に話したところ、「発狂するものなら知っているが、そんなものはしらんなぁ。」と素っ気無く言われ、その日はなにもありませんでした。
次の日。もう一度、今度は早朝にヤツを見に行きました。いました。相変わらずゆれています。でもこんどはヤツと同じところに行ってみました。すごい近くでヤツを観察してみました。なぁんにも起こりません。みんなで写真を撮ったり、水鉄砲攻撃をしましたが、ほんとになにも起こりません。不意に、鳥がその上に止まりました。その時です。ヤツの上のほうに穴が開き、鳥を飲み込んでしまいました。
「うっわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
全員、家に逃げ帰りました。
帰省の日、「あれはほんとになんだったのか」で議論しましたが、結論はいまだ出ていません。翌年も、その翌年もヤツはもう出ませんでした。あれはなんだったのでしょう。民間伝承や曰くに詳しい祖父もわからないもの。ただ、あの後あの川原で水難事故が多発したこと、写真に何も写っていなかったことが、わだかまりとなっています。