数日で倒壊してしまう父の墓石の謎

旧家の主に聞いた話。十数年前の春、前年に亡くなった父親の墓石が裏山の墓地に置かれた。ところが、しばらくするとその墓石が倒れて破損してしまった。すぐさま新たな墓石を建てたが、数日を置かずして倒壊してしまう。只の悪戯とも思われたが、その為に不寝番を置く訳にもいかず、家の者は弱り切っていた。

秋になって、台風による強風のせいで墓地近くの木が何本か倒れてしまった。その中の一本は父親が生まれた際に植えられた木だったが、根っこに大きな石を抱えたままひっくり返ってっていた。
石を引きずり出して調べてみると、表面に父の名前と戒名までもが刻まれている。そこで、それを洗い清めて墓地に据えることにした。以来、墓石が倒れるような事はなくなった。

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木が父の墓石を用意しておいた→でも家人が新しい墓石を立ててしまう→木、怒って墓石を倒す でよろしいのか?

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話の意味は私にもわかりません、聞いた話ですから。多分、話を聞かせてくれた人にも解らないのではないでしょうか。木が墓石を倒したのか?誰かの悪戯なのか?木が墓石を用意していたのか?
先祖がすでに墓石を用意していて木を植える時に埋めたのか?解釈はいかようにもできますが、オチはありません。怪異譚の多くはそういうものだと、私は思っています。

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大好きだなあ、この話。途方にくれている体験者が浮かぶようです。

私の知っている山怪談で、山の主と契約するっていうお話があります。どちらかというと昔話の類いなのでしょうが、墓石のくだりなどよく似ているかも。必要なものすべてを山の主にもらう代わりに、死後は魂が主に使えるといった内容の怪談でした。

山に気に入られる人っているのかもしれませんね。

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