蛇の子を孕まされた女性

「山で昼寝をして蛇の子を孕まされたなんてことは昔はよくあったものだ」

これはウソでも脅しでもなく、現実にあることらしい。オレが20才頃、40歳くらいの知人のおばさん(秋田生まれ)が話してくれたんだが、新聞沙汰にもなったと言っていた。

おばさんの友達(♀)が、春、山菜を取りに近くの山に入った。沢に沿って上流に、いつになく沢山の山菜が取れるので、ついつい山深く分け入った。ふっと気がつくと、見知らぬ所…。帰ろうとして何気なく見ると、前方の崖の上に男の人がいる。
「あれ、誰かな?」
よく見ようと目を凝らした途端、ふら~と意識が遠のいた。これから先はおばさんも照れくさそうで、話が簡略になってしまうのだが、逃げようとしても逃げられず、モタモタしているうちに男がそばにやって来て、蛇に変わり、友達の中に入って来た。つまり、Hされてしまったのだ。蛇男がするすると去っていって、始めて体が自由になり、家へ戻った。こんな馬鹿げた話は親にも言えずにいるうちに、おなかが大きくなってきた。しかたがなく、病院に駆け込んだが、レントゲンを見た医者が「へんなモノが写ってる」と手術を勧める。開腹してびっくり、蛇の子が沢山出てきた…その時点で新聞に載り、おばさんも見て、同窓会の折、詳しく聞いてきたという。「きれいで優しくって、内気な人なんだよ。それ以来、飼ってるウサギにも化かされてしまうって」と言った言葉が印象的だった。昭和4、50年代のことだ。

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