未だにちょっと怖いのですが、書くのも供養かなとも思うので。
自分の生家の地元の山での出来事なんですが、そこは、戦国の城の跡地でもありました。うちは、明治維新以前から住んでたバリバリ地元民でしたが、城については、全く嘘八百の話が伝わってたんです。ただの別荘城で城主の亡き後、地震で倒壊し、廃城になってその地に花木が植えられたと。そう教えられたので全く、怖い場所じゃないと信じていました。夏は、大昔からクワガタ取りのメッカで、こぞって子供たちが訪れており、自分もその一人でした。
ある夏、うちのチビがカブトムシ取りに行きたいと云うので、家族全員で日没直後、久々にその山に出掛けた。今は整備されて運動公園が出来て、駐車場完備の有難いポイントだった。昔の記憶をたどり、樹液の多い木を探そうとしたら旦那が、ここやばくね?ヤバイよ絶対に…と。他に虫取客がいたし、街灯で適度に明るい、オカルト否定派の旦那にしては珍しい。その日は何も取る間もなく、早々切り上げた。
そして翌日の昼間、生家に用事が出来てチビを連れて行った帰り道。昨日の運動公園の横、旧城壁沿いにあたる山道を車で走っていると、バーンという破裂音と激しい振動が車に伝わった。半ばパニックになりかけて、路肩に車を止めた。まさか事故?発砲事件?ガラスは無事?事故かと外に出たら、見事に左サイドのミラーだけが無くなっている。路上に粉々になった鏡の破片が散らばっているのみ。自分以外誰もいない。不審なので一応警察に通報しようかとも迷ったけど、事故でもないし、道路沿いに民家があるので、大事になるのも嫌だ。硝子片を片付け、家に戻り車屋を呼び、相談した。車屋曰く小石を跳ね上げて当たったらしい。特に通報の必要なしとの事だった。
数日後、ミラーの修理の話を旦那にしたら、ガクブルで例の城の史実を語り出した。親方様の為に留守を任された武将が落城覚悟で合戦し、籠城側は総玉砕したという事を。その後歴史本を読むと、虫取りに行った夜は、城にとって最後の夜、ミラーが割れたのは落城日。旦那によれば、全く空気が違い、只ならぬ人の気配がしたそうだ。彼も流石に落城日がいつか迄は、知らなかったらしい。後年、大河ドラマで合戦シーンが出てきました。灯台下暗し。
それを聞いて、ゾッとした。後日歴史書を読み、怖いよりは、英霊様に申し訳なかったと思いました。地元民自ら、大変な失礼な粗相をしてしまって。今も歴オタ以外殆どの庶民には城についての史実が伝わっていない。武将方は落城の日に、魂になって合戦をされているのか、あるいは静かにその日を迎えておられているのか、、。せめて、後の世に静かに語り継いで欲しい。そう感じてなりません。(一応、研究会や慰霊祭はあるらしいけどメジャー過ぎて、地元感ないんですよね)
地名はメジャーの為割愛お願いします。この山は、権力者を引き付ける不思議な山で、他にも歴史上の人物のお墓があります。