2001年の秋、ある山中での体験です。どんな目的でそこへ行ったのかは記憶にありません。今思うと茸を探していたのかも知れません。車道脇に車を止め友人の滝沢君と2人で山頂の方向へ向かう林道(獣道かも知れません)を小1時間歩き、見晴らしの良い場所で煙草を吸い始めました。時刻は正午を10分ほど過ぎたところでした。
何気なく谷を挟んだ反対側の尾根から30メートルほど下を犬が歩いているのが見えました。私自身、犬の種類についてはよく知りませんが、どちらかと言うと和犬だったと思います。やがて木に隠れて犬は見えなくなり、2人は煙草を消して立ち上がりました。15分くらい歩いた後、肌寒くなってきたので車に戻ることにしました。
車まであと10分くらいの場所で滝沢君が変なことを言ったのです。
「あの犬やけに大きくなかったか?」
「向こうの山まで500m以上あったよな」
「あんなに大きく見えたってことは、3m以上の大きさだろ」
・・・・・・お犬様伝説の地での不思議な出来事です。