山で薪を切っていたら、そこに白髪を振り乱した初老の女が現われた。すわ山姥かと思い鉈をもって身構えたところ、女は「待ってくれ、お前は新田の茂平の息子の竹蔵だろう」と、こちらの名前を言い当てた。
なにしろ山の中でのこと。うかつに返事ができないので黙っていると、女は「おらだ、おらだ、清十郎の娘のおかんだ。」と叫んだ。確かに、子供の頃から幾度か、昔村でおかんという娘が神隠しにあったということを聞いている。
「腹が減ってなんねえ。食い物をわけてくれねえか。」
ふと哀れになり、その日の弁当を投げ与えると、おかんと名乗った女は、竹包みをひっつかんでそのまま走って逃げていった。それからの行方は知らない。
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方言めちゃくちゃのヘボ創作