妖怪か不明だけど、小学生5年生の時、近所の兄ちゃんと森へクワガタ採りに行ったときの話。
その日は普段より不調で俺は暑いしオカンが早く帰って来いとうるさかった。そんなわけで俺は早く帰りたかったんだが、納得の行かない兄ちゃんに半ば強引にに連れられ、普段踏み入れない森のかなり奥まで足を運ぶハメになったのだった。
しばらく行くと、森の中にある直径3,40m位の広っぱに出てしまった。おおっ、こんな森なのかに開けた場所が!ここ二人の秘密の場所にしよう、誰にも内緒な!とか兄ちゃんは大はしゃぎ。愛想笑いしながら周囲を見渡すと、右奥の方に大きなクヌギの木が1本あった。足早に近づいてみると、蛇が2,3匹ザワザワと草をかき分けて逃げていった。マムシだったら嫌だなぁと思いつつ兄ちゃんの後を付いて行くと、何じゃこりゃ?と兄ちゃんがクヌギの木を指差した。
デ、デカイ、デカ過ぎる!それも真っ赤。そこには、普段見慣れているカブトムシの1.5倍はあろうかと思うほど巨大で赤黒いカブトムシがいたのだった。これ新種かも?とドキドキしていると、ふと人の気配がした。見てみると、小学低学年位の巨大な頭の男の子が立っていた。驚いていると「それオレが先に見つけた、それオレが先に見つけた」と繰り返し言ってくる。兄ちゃんが「君どっからきたの?」と聞いても「それオレが先に見つけた」の連呼。こんな巨大な頭の子が居れば速攻噂になる程小さな田舎町だし、周囲見渡しても親も居ない、そもそも低学年の子が一人で来れる様な場所でも無い。
この異常な状況にさすがの兄ちゃんも、これ君にあげるよ、じゃ行こうかと俺の腕を引っ張る。ビビリながらも冷静を装うも帰る最中後ろから、それオレが先に見つけたの連呼は続いていた。森の入り口付近に差し掛かった時、連呼が止んだので、ん?と思い後ろを振り返ると、泣きながら両手をばたつかせて追いかけて来た。もうパニック、どうをどう通って帰って来たのかも記憶に無い。この件以来虫取りはしていない。
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永沢君が、あの棒口調で追いかけてくる様が脳裏に浮かんだ・・・怖い