金曜日の夜、明日土曜日なので、仕事のキリを良くしたいと思い少し残業した。しばらく仕事をしていると 携帯電話がなった。友人からで、今日暇か?という内容。時計をみると、11時を少し過ぎており、まだ会社だから帰るの12時過ぎるわと返事をした。
その後、終電も近いことだしと、さっさと片付けて帰宅することにした。社内には私しか残っておらず、戸締りをして部屋から退出。ビルのセキュリティ上22時を過ぎると通常エレベーターが停止する。仕方がないので貨物用エレベーターで地下に向かい、警備室でチェックアウトして非常口から退館する。
貨物用エレベーターの下ボタンを押し、薄暗い廊下で、上がってくるランプを見つめた。少し古びた貨物用エレベータは、少し引っかかるようにゆっくり開いた。まずB1のボタン、次に閉のボタンを押しエレベーターの壁に少し寄りかかると、閉まり始めたドアが、ガガッと音を立て、再度開いた。ぼろいエレベーターだなぁと再び、閉のボタンを押した。しかし、ガガッちう音ともに再びドアが開く。
ふと足元をみると、ドアの間に上向きで、ものすごくうれしそうな顔の黒髪の女いて、こっちをじっと見ていた。状況が理解ができず、目がばっちりあった状態で固まっていると、首だけがズリュとすこしだけのびて、エレベータの中に入ってこようとしている。恐怖のあまり思いっきり踏みつけると、ダァァンと金属音、エレベータの扉はしまり静かにB1向かって動き始めた。