【鎮守神ノ祟り】地元の寂れた神社に放火した知人の末路

地元の神社はさびれてはいたが、まだ地元商工会支援のもと、村祭りがとり行われたりしていた。ただ過疎化を食い止める事は難しく、年を追うごとに祭りも貧相な物になっていったんだ。神主もいない村の鎮守(ちんじゅ)の神様だし、いっそつぶして公民館にでもするかという意見も出たが、そうした商工会の若手からの意見は、村の古老が反対して結局通らなかった。

町議会議員の息子、地元一の秀才で、東京の私大の歯学部を出て地元に戻って来て、歯医者を開業していた奴が、同じ中学の2コ下の後輩だったんだが、こいつが神社のそばに住んでいた。公民館になればテニスコートを使いたい放題だって考えた(公民館に併設されるテニスコート)で、別の宗教を信じてるもんだから、罰が当たるなんて考えもしないんで、誰のためにもならないボロ社なんかなくなった方が町のためだ、ぐらいに考えたのか、不審火起こして燃やしちゃえって思っちゃったんじゃないのかな。同級生で、中学時代は一緒に悪さしてた地元土建屋の息子と組んで、灯油をまいて火つけたらしいんだよ。らしいっていうのは目撃者が誰もいないから。ただ、駆けつけた消防団の奴が言うには、消火活動する間もなく一瞬で燃えてすぐに灰になってたらしい。灯油臭かったって。

無知って怖いよな。土建屋の息子がその直後に飲酒運転、自損事故で死亡。自慢のSUVがガードレールに突っ込んでた。シートベルトなんてしない奴だったためか、フロントガラスを突き破って車外の崖下に投げ出されてた。あー、これ祟りだよな。じゃあやっぱりこいつが火をつけたんだ、ってみんな思ったんだ。ホント直後だったしね……。

でも歯医者本人の方はほら、鳥居とかくぐれない奴だったんで、神罰なんて考えもせずに暮らしてたんだよ。で、確か奥さんが3人目を妊娠した頃だったか、同じようにSUVに乗ってガードレールを突き破って落ちて、崖下で死んでるのが発見された。やっぱそうだよなってみんな思ってた。だってそのSUVはもともと死んだ息子の物なんだよ。事故車を形見わけしてもらって「外車は丈夫だから修理すれば乗れる!」って、そりゃむちゃだよお前。

商工会で金出しあって、お社再建したった。古老に言わせると、祟ることはあっても恵みはくれない神様らしい。参ったな。

『【鎮守神ノ祟り】地元の寂れた神社に放火した知人の末路』へのコメント

  1. 名前:匿名 : 投稿日:2017/02/23(木) 07:44:26 ID:
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    まあ神様粗末に扱ったらいかんわな。
    祟り当然。

  2. 名前:匿名 : 投稿日:2017/10/16(月) 09:19:57 ID:
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    鳥居くぐれないってことは煎餅か。

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