毎日一家族ずつ死んでいく集落

山歩き中に、寂れた古い小さな墓地に出くわした。石畳に腰を下ろしポカリスエットを飲んでいると、妙なことに気がついた。ある家族の戒名の日付が、皆同じ日だったのだ。

事故で皆が巻き込まれたのかなと考えていると、隣の墓の戒名に目が吸いつけられた。この家族の墓も、戒名の日付が皆同じ日だったのだ。ただしそこの日付は、最初の家族のものより二日ほど早かった。気になって墓地内の墓石をすべて調べてみた。

全部で七つの家族が、一日ずつ日付をずらしながら鬼籍に入っていた。一週間続けて、毎日一家族が死亡した計算になる。何となく帰り道は非常に落ち着かなかったそうだ。

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