無傷の流血体験

子供の頃、仲良かった友達と二人で、ブロックの塀に登っては飛び降りてた。小学1年の時だったと思う。ガキだったから上って飛び降りるのが面白くて、何回も繰り返してた。で、何回目かわかんないけど、俺がまた上って飛び降りようとしたとき、友達が後ろから上ってきて、俺のケツに下から頭突きかましやがった。俺は突き落とされる格好になって、脳天から地面に落下。高さは2mないくらいで、下はアスファルト。ガキの力じゃ、手で体重支えることも出来なかったんだろうな。俺はオデコから地面に落ちて、着ていたポロシャツが数秒で真っ赤に染まった。

俺はもちろん号泣してたからあんまり覚えてないんだけど、自力で歩いてた。血が死ぬほど出てるってことは分かってたから、とにかくお母さんのところに行かなきゃって思って、泣きながら家に向かった。ガキだから仕方ないと思うけど、友達は泣きながら逃げちゃった。あまりに血が出てたから、ビビっちゃったんだろうな。とにかく俺は、顔面とシャツを真っ赤に染めて、泣きながら家に向かった。今考えたら、2m弱の高さから、コンクリの上に頭から落ちたらやばいよな?そのとき、血はハンパじゃなかったけど、俺は泣く元気があって自力で歩いてた。でも、とにかく血の多さが恐ろしかったんだ。

俺が流血しながら家に向かう途中、おばあちゃんが居た。おばあちゃんは俺を見て、「大丈夫だよ」と言って通り過ぎていった。そのとき俺はパニックだったから、何も感じなかった。でも、変だろ?ガキが大量出血してるのを見て、大丈夫だよ・・・だけでスルーだ。ま、そんときは俺も華麗にスルーして、とにかく家に辿り着いた。オカンは俺を見て、もちろん驚いてる。そのときの俺のシャツは、真っ赤に染まるだけじゃなく、
生地が吸いきれない血をポタポタしたたらせるくらい、俺は流血してた。歩いてきた道にも点々と血がついてた。

ここからが不思議なんだ。俺はオカンのところに辿り着いて安心したこともあって、少し冷静になった。そうすると、頭が全然痛くないことに気付いた。オカンは「どこ打ったの??」と聞く。オデコだと俺は答える。オカンは血を拭きながら俺のオデコを調べる。オカンがいくら調べても傷は無い。俺も全然痛くない。でもシャツは真っ赤。道にも血が点々。

その後、オカンに連れられて医者に行ったんだけど、傷が無いんだよ。ちなみに今も傷はない。怖くないけど、不思議な話でした。

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