山で逸れた男の子の居場所

携帯からで悪いけど、先輩の話。
先輩たちは10人くらい集まって、京都の有名な心霊スポットである山に、夜中に車で行った。で、山の麓に着いたとき、メンバーの女の子のひとりが「トイレ行きたい」って言い出して、麓の寂れた公園のトイレで済ますことにした。女の子ひとりじゃ怖いだろうから、トイレの前で全員立ってたんだけど、メンバーの男の子が、「俺ちょっと山の入り口行ってみてくる」って言って、懐中電灯持って行ってしまった。やがてトイレから女の子も普通に出て来て、少し待ったけど男の子が戻ってこない。

で、男の子の携帯に電話して、「今どのへんにいるの?」と訊いたら、『暗くて判らん』と返答。それで、「今から車で迎えに行くから、おまえ目印に懐中電灯で空照らして」と言ったら『わかった、今点ける。 点けたよ』光が差した方を見たら、一つ超えた山の頂上からだった。みんな焦って「ちょおまえほんまにあれか?!光揺らして見ろ!」と電話に怒鳴ったら、光が揺れる。「絶対そこ動くなよ!」と言って、車飛ばして迎えに行くと、懐中電灯持った男の子が、呑気に「遅い」と言って座ってたらしい。

山から急いで下りて、「おまえこのてっぺんにおったんやぞ!」と告げると、男の子は真っ青になって、「えええ!?」ってびっくりしてたらしい。みどろがいけ、とという場所でのことでした。

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