うちは両親それぞれの家に、変な言い伝えというかいわくがあるらしい。父の家系はご先祖様がどこかの領主で、三代目で食い潰したらしいんだけど、初代はとても厳しい人だったとかで、たくさんの人を処罰だか処刑してて恨みをかってるから、本家は末代まで呪われているんだと。その当主は首に縄みたいな痣があるんだって。
うちは分家のずーっと端っこだからたぶんあんまり関係ないけど。一回だけ富士山の方にある本家のお墓参りに行ったが、でっかいお墓だったよ。で、母の家は元々忌み嫌われる?仕事をしてた家系の名前?とかで、昔から男の子が育たなかったらしい。男の子は死んでしまうから、祖父も小さい頃は女の子として育てられたと聞いた。祖母も男の子を流産してて、生まれた子どもは母を含めて四姉妹。母はできちゃった婚だったんだけど、子ども四人のうち、籍を入れる前にできた私だけ女で、籍を入れたあとに生まれたのは男ばかりだった。こういうのって本当にあるんだと思ってびっくりしたよ。当主になると出るというか、長男(=当主になる)の首に痣があるらしい。一回きりの墓参り以外本家に関わってないから、私はたぶん当主には会ったことないけど、本家がある限りは呪いもあるんじゃないかと思う。
弟は全員ぴんぴんしてるよ。一番目の弟は悪いのとつるんだあげく、私刑で死にかけたり(何回も遭ったらしいが全身打撲程度で済んだ)、二番目は小さい頃に突然ひどい脱水症状を起こして、危うく衰弱死するところだったりはしたかな…三番目は特にない。貧乏で大変だったりしたくらい。母は籍を入れて家を出たから大丈夫だったのかもしれない。ただ、両親はとっくに離婚してるから、これから何かあったらと思うと心配だね。