看護婦の「ハセベさん」

小学校1年の時に病気で入院して、夜中病棟で毎晩のように泣いてた。泣き始めるとすぐに看護婦さんが来てくれて、寝付くまで一緒に居てくれた。名前がハセベさんと言って、若くて可愛い人で、子どもながらに自分はその人の事を好いてた。半年程入院生活が続いたけど、毎晩のように僕は泣いてしまい、毎日泣き始めるとすぐにハセベさんが駆けつけてくれてた。
無事手術も終えて退院する事になった日に、ハセベさんは居なかったんだけど、母から婦長さんに「ハセベさんに宜しくお伝えください」と伝えてもらった。

自分が高校生になって、その病院の内科に行く機会があり、ついでと思い小児科病棟に寄ったら、当時の婦長さんはまだ現役だった。当時の事を話しててハセベさんの話になって、婦長が思い出したように話し始めた。
ハセベさんって、当時看護婦でそんな名前の人は居なかったらしい。はっきり名前も覚えていたし漢字でも覚えてるし下の名前も覚えてる。僕が熱だして泣きじゃくってた日、部屋に現れて手をつないでくれていた日も鮮明に覚えてる。特徴等を婦長に伝えたけれど、やはりそんな人は居なかったといわれた。

いまや真相は闇の中です。

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