中学時代、国語教師に聞いた話。
大学生の時、お盆に友人数人と連れ立って、花火を見物するため、山の中腹にある展望台に出かけた。
周囲には街灯も少なく、最後の花火が消えた余韻に浸る中、ふとあることを思い出し何気なく呟いてみた。
「そう言えばさ、お盆って、『地獄の釜の蓋が開く』って言うよな」
すると、一緒に来ていた女の子の一人が顔色を変え、
「花火も終わったし、今日はもう帰ろう」と言い始めた。
唐突だったので訝りながらも街に戻り、その女の子に何があったのか聞いてみると、彼女は言葉少なに語った。
「展望台の端っこの方に大きな木があったんだけど…
A君(先生)がああやって言ったら、いきなり枝に青白い人の顔がたくさん浮かんで見えたの……」