生霊から届いた○○の贈り物

この話は、同僚田中氏の体験談です。
田中氏は元美容師で、専門学校を卒業後、就職のため上京しました。営業時間はアシスタントとして雑用をこなし、閉店後は深夜までカット練習。そんな日々をおくっていました。

その日も練習を終えてアパートに帰宅したのは深夜。部屋に近づくにつれて、ふと玄関先に何か置いてあるのが見え、何だ?と近づいていくと、彼女の腰くらいまである縦長の箱でした。一瞬ゴミかと思ったが箱の下に何かを発見し、拾ってみると、それはメッセージカードでした。カードには『僕の君への想い受け取ってほしい』みたいな事が書いてありました。意味分からんと思いつつもほっとくワケにいかず、部屋の中へ運びその日はそのまま就寝。

それから2~3日経ち、職場の同僚が田中氏のアパートに遊びにきました。部屋に入るなり友人が表情を変え、部屋の中を見渡し始めると例の箱を見つけ
友人:何、コレ…?
田中氏:あぁ、よくわかんないんだけど~赫々然々~で、今度ゴミの日に出そうと思ってた。
友人:…いや…お祓いしてからの方がいいみたいだよ?てか、今すぐ行こ…
友人の霊感の強さを知っていた田中氏は、黙って従ったそうです。予定を変更し、友人の知人である霊媒師?の元へ直行。

霊媒師は、箱と田中氏を見て苦笑いを浮かべ『随分と重い生霊憑いちゃって』と、一言。さっそく中を調べるために、田中氏と友人と霊媒師が包装紙を外して箱を開けると、中にピエロの操り人形が入っていました。人形を取出し、服を脱がせたりして更に調べると、胸の部分が四角く切って開けられ、また閉じてある。貼ってあったセロテープを剥がして蓋を開けると、丸められたティッシュが押し込まれていました。

霊媒師がティッシュを取出してゆっくりと広げた時、ポロっと何か床に落ちた。友人がソレを拾い見た瞬間『ひィッ』と短い悲鳴をあげて、また落としました。田中氏が床に落ちたソレを見た時、同じ様に悲鳴をあげたそうです。ソレは第一関節と第二関節の間辺りで切られた人間の指でした。切り口が少し潰れていたり、血の付着具合からして作り物とは思えなかったらしい。

お祓いは後にして、まずは警察に届けた方がいいと言うことになり警察に通報。後日、警察の調べで犯人?が判明。田中氏の勤め先に来ていた男性客でした。店で田中氏に一目惚れ。が、想いを告げる勇気が出ず、後をつけたりとストーカー行為事を繰り返しているうちに、思い付いたのが今回のプレゼント。

指を切断したのは、『君の為ならこれくらいの痛みは耐えられる』という意味が込められていたそうだ。全ての事情を警察から聞かされて知った田中氏は、いい男だし普通に告ってくれたら全然付き合ったのに…と思ったそうです。

メールアドレスが公開されることはありません。