無縁仏をまつる一画

去年の秋のお彼岸に、数年お参りにいけなくて気にかかっていた母方の祖父母のお墓にお参りに行った時のお話です。
そのお寺は京都にあります。墓地の出入り口に無縁仏をまつる一画がありますが、以前からお持ち帰りしやすい私はその一画が気になってはいましたが、強いて素通りしていました。

なかには墓参のあとにこの無縁仏のために線香や蝋燭などを供えてあげる人もいるようですが、私は知り合いに霊感の強い人がいて、祖父母のお参りに行く話を前日にしたところ、その人からも無縁仏には手をあわせたり、線香を供えたりすることを私の体質を知ったうえで止めました。

祖父母の墓前に花、線香、燈明等を供えて帰るときに例の無縁仏の横を通り過ぎようとした瞬間、何やら目にみえない何かが私の前にいる気配がしました。が、グッとお腹に力をいれて「私には何もできないから、頼ってもだめ」と念じながら通り過ぎました。

やはり、お参りにきてくれる身内のいない寂しい仏さまが私の気をひくためにとおせんぼしたように思いました。折りも折り、お彼岸の中日の出来事でした。

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