同日同時刻に亡くなった兄弟

伯父の話をします。
母方の伯父一家は小さいおんぼろ屋に住んでいました。その弟は近所のマンション。二つ違いでしたが、双子みたいによく似ていました。兄のほうが「男は四十で家を持つ」と宣言して大きい立派な家を建てました。が、家が建って暫くしてから、がんを患ってしまいました。そして弟のほうも同じがんに。検査入院という事で何も知らされないまま、末期まで周りにも伏せられていました。

ある日、三度目の入院の時にお見舞いに行きました。お腹がぱんぱんに膨らみ素人目にも具合が悪そうでした。伯父は私たちに「今日は中日だから、あと一週間で千終楽だ」と言いました。意味が解らず、その日は帰ったのですが、一週間後、亡くなりました。同じ日に何と同時刻に弟の叔父も亡くなったのです。葬儀屋さんも初めての経験だと言ってました。

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