ホテルの一室にあった不気味なビデオテープ

同僚が出張で東京へ行ったときの話です。彼は出張費としてもらったお金を浮かすため、ある安いホテルに泊まったんだそうです。その部屋には100円を入れると数十分動くビデオデッキとビデオが数本置いてあり、とりあえず彼はどんなビデオがおいてあるのかをチェックしてみることに。すると、お約束のムフフなビデオや名作洋画等の中に、一つだけラベルの貼っていないビデオが。「なんだろう、裏ビ○オかな?」と思った同僚は、とりあえず100円ならいいやとビデオデッキに硬貨を入れて、そのラベルの貼っていないビデオを見ることにしました。

ビデオをデッキに入れ、しばらくしてそのビデオは始まりました。テレビに映ったのはどこか田舎の町の縁日の風景でした。屋台が建ち並び、涼しげな格好をした人たちが行き交っています。画面は浴衣姿の少年を捕らえ、その少年の顔にズームインしていきました。そして、彼の胸から上が映るあたりでズームはストップし、画面も一時停止状態に。そして画面の下に、白い無機質なゴシック体でテロップがでたそうです。
「昭文くんはこの夜、殺されました」
同僚はすぐにデッキの電源を切り、そのホテルを引き払って別のホテルに泊まったそうです。

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