祖父の声についていった先にあったモノ…

母方の祖父にまつわる不思議体験です。
小学4年生の6月半ば、学校を休んで母方の田舎に行きました。当時田舎の家は山の中に在り、母と私と近所のおばさんとで山菜採りに行く予定でした。祖父に案内され山に入っていくと、少しなだらかになって開けたところに出ました。わらびやぜんまい、その他にもいろいろな山菜が出ており、時期としては少し早かったようでしたが、みんなで夢中になって山菜を手折っては籠に入れていました。その時です。

お~いという呼び声がします。
「おいびぃ~。こっちにいっぱいあるぞ~」
姿は見えませんでしたが、しゃがれた祖父の声でした。私は嬉しくなって声のする方に歩いていきました。下草のうっそうとした山の中、掻き分けながら夢中になって歩いていると、ふと後ろから
「なにやってるんだ!」
と呼び止められました。

振り返ると祖父がいました。
あれ?と思って
「今じいちゃん私の事呼んだよね?」
と言うと呼んでないと言います。不思議に思って自分の行こうとしていた場所を見てみると……崖でした。怖くなった私は母の方へ走って行きました。

それ以前にも、その後にも、祖父の声で呼ばれる事がよくありました。祖父母が街に引越しをする時まで…

メールアドレスが公開されることはありません。