夫婦2人が自殺した廃屋で

霊感のとても強い友人Tから聞いた話です。Tは霊感があると有名だったので高校の時に心霊好きな先輩に誘われ、近所の昔妻が夫の不倫で首吊り自殺した夫婦の廃屋に深夜先輩二人と行く事になったそうです。先輩はTにその夫婦の出来事は教えなかったので、Tはその廃屋で何があったのか知らないままで、先輩はほんとに霊感があるのかを確かめようとしました。

その夜Tは手ぶらで来て、先輩達に懐中電灯などを用意させてその廃屋に入りました。中は荒れ放題で歩くにも一苦労な感じで奧に進みました。
「何か感じるか?」
先輩がTに問い掛けると、
「…女の人のいます、『来るな』と言ってますよ。」
先輩はTの霊感を信じましたが、来るなと言われると行きたくなる人間のサガに負けてそのまま奧に向かいました。居間に入ると同時に
「先輩、ここはマジやばいです!」
Tは先輩の服を掴み、叫びました。

「カタ…カタカタカタ」
何か音がしているので先輩がその音のする方に懐中電灯を向けました。その瞬間3人はギョッとしました。居間の仏壇の逝標が揺れる音だったんです。
「先輩、早く逃げましょ!早く!」
Tが叫んだ時、
「カタカタカタ、パタン」
逝標が倒れたと同時にその仏壇の扉の隙間からこの世の者とは思えない者が出て来てこちらに向かって来たそうです。
「ギャーー」
先輩は懐中電灯を放り投げ、逃げました。Tはその後、先輩に

「ハァ、ハァ、先輩、あの懐中電灯は誰のですか?」
先輩「俺んだよバカ!そんなんどーでも良いわ!それよりあれは何だよ!」
T「あれが霊ですよ。それより懐中電灯拾って来た方が良いですよ。」
先輩「無理だよ、そんなんできるか!」
Tがいくら説得しても先輩は聞こうとしなかったのでTは先輩二人にお祓いをし、帰らせました。

しかし次の日からというもの、先輩一人は学校に来て何ともなかったんですが、懐中電灯を落とした先輩は原因不明の病気か何かで植物人間になり、精神病院に入院する事になりました。Tが言うには懐中電灯をあの場所に落とした事が原因だったらしいです。自分の財布や物を心霊スポットに忘れて行く事が一番ヤバい、霊はそいつに取り付くから。Tが手ぶらで行ったのはその事を防ぐためだったんです。

みなさんももし心霊スポットに肝試しに行く時は持ち物に気を付けてください。後、見知らぬ逝人のためのお供えなどもしない方が良いらしいです。それにもその逝人の霊が付いてくるみたいですから。

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