「つりさがり」というものをご存知でしょうか?おそらく初めて耳にする言葉だと思います。
昭和44年の頃でした。青森県の某霊山で、この「つりさがり」の伝説を聞いたのが最初のことでした。霊山の奥深くに、真昼でも薄暗い森があるのですが、そこの木々に茶巾袋をいくつも吊り下がっているところがあります。これらの茶巾袋の中には、お茶の葉のようなものが入っており、香りがすごく良いものです。これが「つりさがり」と呼ばれたのは、かなり昔のことらしいのです。
3年前に他界した祖母から聞いたのですが、この「つりさがり」というものは、村にとってタブーのものであり、誰しもがその真相や意味を話したがらないそうで、決して人の目につかない場所にあるとのことでした。私が「つりさがり」に興味を持ったのは、去年のことで、実際に「つりさがり」を確認してきました。そこで、村人がタブーとしている真相をここで記すことにします。
「つりさがり」とは、昔、村八分を受けた者達の首を入れた袋のことです。それを霊山の人里離れた場所に吊り下げておき、供養するというものです。お茶の葉は、遺骨が風化したもの。香りは遺骨に繁殖した菌の臭いとのことらしいです。今もその霊山では、多くの自衛隊の方が「つりさがり」を見るようです。指揮官は、必ず「それはそういうものだから触れるな」としか答えないとのことです。現在も存在するので興味のある方は、見物されてはいかがでしょうか?