十年前の夏、私は友人Ａに頼まれて福島県いわき市にある『水子地蔵尊（サイノ川原であるが洞窟）』に取材へと向かいました。仕事が終わり、コンビニで道を尋ねながら向かいましたので、到着が深夜一時。洞窟からそばの駐車場に車を止め、観音菩薩様の像辺りから話題の洞窟を睨むように視ました。
やはり案の定。小さい固まりがウヨウヨしています。悪意は感じられませんがカメラを置いて入りました。入ると低い天井にライトが吊らされ、小さいお地蔵様や、人形、玩具、ましてやギブスや洋服などが散乱していました。私は成るべく霊を刺激しないように奥へと進みました。
海から吹き抜ける風が生暖かくべとべとしています。さらに奥へ進むと空洞の行き止まり。ここは風も来なく静まり返っていました。しかし、足元にはお供えに交じって酒缶や花火のゴミ、はたまたパチスロ雑誌など子供に関係ないようなものが。
普段はこういった場所の物はいじらないほうが善いのですが、頭にきた私は車からコンビニの袋を持ち出して燃えるゴミ、燃えないゴミと分別して入り口付近にまとめて置きました。すると洞窟の中が『恐怖』より『あたたかみ』を感じる空間になりました。
先程からいる影も小さい地蔵様の足元でおとなしくしています。なんというか、霊が静かになったというか…そんなかんじなのです。今の内にと、わざと影を避けて撮影開始。それでも変化はみられなかったので、そこで一礼して取材を終えました。
車に戻り一服していると、五人連れのヤンキー風の男女が派手な車できました。
『なに？あんたも肝試し？！』
『一人で来たの？マジ可笑しくない？』
と言いいたい放題…。
私は『行かないほうがいい。特に遊びで来たならなおさらだ』と言いましたが、馬の耳になんとやら…。カメラ片手に洞窟へ入っていきました。すると先程とは打って変わり、洞窟から無邪気ながら嫌な空気が…。入り口も黒っぽくにごりまるで『コイツラハユルサナイ』みたいな感じ…。警告はしたのだからと車をだしました。
皆さんも心霊スポットへ行く際は、霊感がある人を連れていくことをお薦めします。またなるべくなら悪い霊がいないただの廃墟に行って満足すればこしたことありません。
ちなみに写真には問題なく、洞窟の内部が写っていましたがやはり温かみを感じます。皆さん。どこでもそうですがゴミ捨て、無断撮影、遊び半分でのスポット巡りは控えましょう…。