友達の話。彼女は何故か子供の霊に憑かれやすい人で、今までも何度かそういう事があった。そんな訳で、家にそういうものが入れないようにお札を貼ったりしている。だから、家の中は安心と思っていたそうだ。
ある日、彼女から電話がきた。背後からは子供の声。「やられた。夢の中から入って来やがった。まったくー…」とため息。彼女曰く、夢の中で知らない場所に立っており、傍らにいたこれまた知らない子供に「捕まえた…」と、手を握られたらしい。そのまま目を覚ますが、耳鳴りが酷く、身動きできず。その子は、家の中を走り回ってる…と。「私、感じるだけで見えないんだけど、その子の足だけ見えた。」
彼女の家には彼女の実子がいる。何よりその子に危害が及ぶのだけは嫌だということで、お祓いを検討したそうだ。(よく、寂しがって連れて行かれるとか言いますよね)「まあ、子供は成仏して欲しいからお寺行ってみるわ。」だが、その前にいなくなったらしい。
「遊びに来た夫婦(子無し)についてっちゃった。生まれるところ探してるのかな。」
「お札があるってことは、出る事も不可能なんじゃ…」と聞くと、
「うん、それが玄関のお札、彼等が帰るときにぼと…って落ちたの。釘で打ってあったのに。」
だから、何か目に見えない力がやっぱり働いたんだよと、彼女は平然としてた。
「そのうち、あの夫婦の間に生まれたいのかもね。だから、どこかの神様か仏様が、ああしたんだよ」
だそうだ。
確実な予知夢を見たり、黒魔術に呪われたりと彼女の人生はなかなかオカルトだが、今は幸せな主婦として安穏と暮らしてる。そんな人から、たまに背筋が寒くなるような話を聞くのが一番怖い。見るからに無縁そうなのに、人は見かけによらない…と思う。
ちなみに、本人は、「最初から子供ほしがってる人のところへ行ってくれ」と言ってた。もともと世話焼きタイプで、子供好きそうに見えるから好かれるんだろうな、生きてない子にまで…