「ねえ、友達ちょうだい・・・」

僕が霊感を身に付けたのは11の時でした。その中の一部を紹介します。

18の頃自動車の免許を取りに鳥取に行きました。そこで同じく免許を取りに来ている人達と仲良くなり、後日、六人で花火をしに行くことになりました。車に乗ってある海岸へ行きみんな楽しく花火を楽しんでいた時、雲行きがあやしくなり引き上げようとした時、案の定激しい雨が降ってきました。

車は、花火をしていた砂浜ではなくトンネルをの向こう側に止めていました。トンネルの長さは70メートルほどだったと思います。トンネルの前まで行くと、中間あたりに小さな人影が見えました。あれは霊だ!そう思った僕は、ほぼ目を塞いだ状態でドキドキしながらトンネルを走り抜けました。

人間って好奇心旺盛ですよね、ふっと僕は後ろを見てしまいました。すると目の前に片腕、顔が分からないくらいぐちゃぐちゃに潰れた子供が立っていました。思いもよらないものを見た僕は声も出ない身体も固まったまま凝視していました。するとその子供は僕にこう言ったのです。
[友達ちょうだい・・・」
何がなんだか解らなくなって僕は車へと必死で逃げ込みました。そのまま家に帰り次の日またそのメンバーで待ち合わせをしたのですが、一人なかなか来ないので心配になりその子の家に電話をしました。すると・・・電話の向こうから恐ろしい言葉が返ってきました。

「昨日ねうちの息子・・・死んだのよ・・・。車の前に子供が飛び出してきたらしいの。でも、そんな子供なんてどこにも見当たらなかった・・・。片腕がとんで顔もあの子だと解らない位だったわ。」僕の頭の中でトンネルにいた子供の言葉が響いていた。

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