今は引越しちゃったんだけど、昔住んでた地域の話ね。親父の仕事の関係で7~15歳まで住んでた町はド田舎で、ほんとに谷間を縫って集落を作ったようなとこだった。あっち向いてもこっち向いても山と川しかない。それで、集落と山の境目(ちょい山寄り)に神社があった。神社はいくつもあったけど、どれも↑のような場所だったな。
小さいお社みたいなのは町中にいっぱいあるんだけどね。友達との遊び場には神社の境内が選ばれることが多かった。だが、ひとつだけ入ったことがない神社があった。いや神社なのか分からないけど、とりあえず鳥居はある。で、その場所がずいぶん町から離れてるんだ。普通の神社までは整備された道が続いてるんだけど、その謎の神社は孤立してる。ポンと山の中に鳥居だけが立ってるのが見えるんだ。その神社について友達や大人に聞いても、「あの神さんのとこはだめだ」と曖昧に濁される。具体的に「なぜだめなのか」は教えてくれない。だから自分で見にいった。中学生のときだ。
結論から言うと、神社ではなかった。鳥居しかない。場所自体も境内っぽい感じはせず、山の中の空き地に鳥居だけ設置したみたいだった。
もちろん参道のようなものはなかった。今まで見えていた鳥居の向こうには3つの小さい鳥居があって、三角形になるように配置されていた。隣り合う鳥居同士はしめ縄でつながれていて、足の間(人がくぐる場所)にもしめ縄が何本も。なんか、三角形の中に何か閉じ込めてでもあるかのようで、俺は気味が悪くなって帰ってしまった。
そこからの帰り道。まだ山のなか。大人だか子供だか、男だか女だか分からないような声で
「おいで、おいで、きておくれ」
「おいで、おいで、きておくれ」
って声がずっと追いかけてきた。周りに人間はいない。バケモノだと思った。下半身しか見えなかったが猫みたいなのがついてきてたから、
そいつに対して「バケモノを追い払ってくれ」って念じてた。それだけ。あとは何も起こっていない。でも今思うと、あの猫みたいなのは何だったんだろうか猫にしてはデカい。猫っぽい体型なんだけど中型犬くらいの体格。あと、猫にしてはモコモコ感に欠けていた。何の動物なのか気になる。
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狛犬?