仏間に現れた口の付いた黒い球体

高三の夏休み、家族でばあちゃん家に泊まりに行った。両親や弟達は遊びに行ってしまい、私は一人涼しい仏間でゲームをしてた。




しばらくしてゲームに疲れた私は、ゴロンと横になった。何気なく天井を眺めていると、隅の方に、直径50cmくらいの真っ黒い球体がある。立ち上がり、見上げながらその球体に近づいていき、じっくり観察してみた。髪の毛の様な、黒い糸の様な……とりあえず糸状のものが重なり合い出来た球体の様だった。

触れてみようと思い、机に乗り手を伸ばすと、その球体がクルリと回った。

口がある、汚い歯が生えている。鼻はない、まんまるい黄色い目がある。

しばらくなぜか冷静に観察し、我に返って、ウギャーと叫ぶと、その球体は口からベーッと黄色い痰みたいな臭い液体を私の体や顔にかけて、笑いながら外に出て行った。

そのあと何回風呂に入っても、一週間くらい臭いがとれなかった。

なんか妖怪の一種かな?家族やばあちゃんに言っても信じてもらえなかった……

球体は浮かんでいました。天井のすみに。
人が走って行くくらいなスピードで出ていきました。

笑い声は、鳴き声ではなく、「ケヘヘヘヘヘヘィ」という感じの、高い声でした。臭いは……私には腐臭というか、どこか遠くで何かが腐ってる?って感じの臭いに感じました。夏休み中だったのでよかったですが。すみません表現が下手で。

「谷牙=コダマ」と言うヤツだろう

人の頭大の一つ目の毛玉で乱杭歯の口がある物の怪だそうな。声は野鳥のような「ケェェイィィケケケェ~」甲高い声。息は腐臭がするらしい。山仕事してる人はこれに遭ったら一週間は仕事休まないと駄目で、飲みに行ったりするのも良くない。腐臭でマーキングされてるから怪我や事故に遭いやすいとか。

本人も気付かない体調不良でポカすると大勢が危険な目に遭う山中だから養生せよって事だろうけど、谷牙休みの樵のオッサンが飲酒運転で一人息子を轢いた話は聞いた事ある。

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