【怖い話】山奥の介護福祉施設で起こった2つの怪異

山頂近くの施設から降りる山道で見た脱走者

2006年、俺のガチ体験。俺は介護福祉士でその時は府と県の境界の某山の中の施設で働いていた。山頂近くの不便な所にあって設備も新しくはなく姥捨て山という感じがしないでもなかった。実際他の施設や老人病院から退所・転院して来た身寄りのない老人、暴力をふるうなど問題がある老人も多かった。職員が通うのも不便で施設の専用バスの定時に乗り遅れるとえらい目に会った。だから当然ほとんどの職員は車で通勤していた。

俺はその日は遅出で21時あがりの予定だったが施設のイベントの準備やらで深夜2時近くに施設を出た。山を降りてると中腹に初めての信号がある。信号は深夜の赤点滅だったが俺は念のため減速したと思う。何故そこを見たのか今も自分で解らないが俺は窓の外ガードレールの下を見た。遠目に人か何かが動いている気がしたからだった。
 
車を止めて目を凝らすと明るいグリーンの服上下を着た人間が確かに見えた。月の光か何かはっきり覚えていないがこっちを見ていたけど顔は解らなかった。
 
俺はそこで慌てて施設と警察に電話した。何故ならそこの施設の入所者はみんなレンタルの明るいグリーンのジャージを着ていたし、その時見えていた人はまさにそのジャージだった上下の白いラインもはっきり見えていた。俺は車を降りて「今誰か来まーすそこを動かないでーー!!」と何回も怒鳴った。雑木林とはいえガードレールの向こうはけっこう崖っぽく切り立った勾配で、俺ひとりで降りて行くのは無理だった。

こうやってオカ板に書いてることで解ると思うけど、俺が見た遭難らしき人物はけっきょくいなかった。俺が車止めて待ってる所に警察が来て、俺はいったん施設に戻った。しかし・・・施設の入所者は全員が確認されて無断外出者はいなかった。
 
けっこうな大騒ぎになってしまった。入所者もかなりの数で深夜に関わらず上の人が出てきたりした。結局は俺の見間違いということになったけど警察でも特に激しく怒られるとか注意されるというのはなかった。警察官はとても事務的だった。その後施設では深夜の居残り残業が慣習になってるが自粛するようにと布告があった。
 
俺がグリーンジャージの人物を見た場所は、俺がその施設に就職する一年ほど前に死亡者が発見された地点付近だったらしい。亡くなったのは認知症が進んだ入所者で徘徊が激しいために入っていたそうだ。家に帰りたいと何度か脱走をしそうになっていたらしい。ある夜とうとう姿が見えなくなり捜索の何日目かでジャージ姿で凍死しているのが見つかった。その場所が俺が謎の人を見た付近だった。このことを俺は地元の利用者の家族から聞いて知った。

この出来事の二ヶ月後夜勤の職員がケガをして早退してしまった。俺はたまたま遅出だったが代わりの夜勤職員が出てくるまで、俺は上からの指示で延長勤務になった。
 
そして!また見てしまった。はっきりとだ。それも深夜二時くらいで同じ場所だったし信号の所で見るまいとしたのにカーブ手前で見えてしまった。「こんな暗いのに何故見えるんだあー!?」と頭が考えた瞬間、そいつがこっちを見ているのが解った。とにかくアクセルを踏みまくった。

俺は次の日に「急で申し訳ありませんが」と退職届を出した。あまりに突然で困ると言われたので、俺はありのまま全てを話した。
 
結局は別の人が採用されて引き継ぎを完了するまで1ヶ月働いたが、日勤と早出以外は絶対引受けなかった、というか怖くて引受けられなかった。病院の専属バスしか乗らなかったし、バスに乗り遅れたら山の反対からタクシーを呼んで反対側に降りてから電車で帰った。タクシー代は1万円もかかったし家まで3時間かかった日もあった。
 
周りの奴に何か問われても一切本当の事情は言わずにごまかしていた。上司からもおかしな噂はださないでと言われたし、口にするのも怖いと思った。今は夜に車で山を越さねばならない状況になった時は、高速料金を払ってでも有料のトンネルを通る。
 
俺を指定して何か訴えたかったのなら供養とかしてあげるべきかなとも考えたけど、今の時点では怖すぎてまだ無理だ。供養などさせて貰うならちゃんと調べてちゃんとしないといけない気がする。俺が見た方は誤報扱いだったが凍死事件の方は2、3日新聞に載ったらしい。思い返せば警察は何か知っていた態度だった気もする。真面目に事情を話せば施設で何か教えて貰うことも出来るかも知れないけど、無理な辞め方だったし施設には問い合わせにくいな。
 
山には霊園もいくつかある。夜に車で山越え出来ないのは不便な時もあるがどうしても怖い。普段は思い出すことはないんだが、正直「何で俺だったんだよ!?」と思う気持ちもある。



施設に現れる子供を連れた着物の女性

このレスはどう考えても私のごく近所の話しなので、それで物凄く怖くて昨日の晩レスに書かれてる事件のことや施設のことをオカンにいろいろ尋ねてみました。「府・県の境」とか緑のジャージとか間違いないと思うからです。で、うちの近所にその施設で働いてるひとがいてオカンとも顔馴染みで聞いた話しだそうです。でもオカンは「人には言わないほうがいい」と言いました。けどこれは大丈夫と思うから書いてみます。

そこの老人施設でオカンの近所の知り合い(Aさんと書きます。50才くらいの主婦です)が仕事中に、ある利用者さんの部屋に用事で入ったそうです。すると自分のベッドに腰掛けていたお婆さんが「今、子供を連れて着物をきた人が入って来てちょっと覗いて出ていかはった。こっちにおじぎしはったけど初めて見る人やった。○○さん(このお婆さんの同室の人)の親戚ちゃうか。○○さんに教えたげえな」と言ったそうです。それでAさんが○○さんを探して教えたそうですが、「誰やろな?来るとか聞いてへんけどな」と言いながら部屋に戻ったそうです

それでAさんは着物で子供連れの人を探したけど見つからない。他の職員に聞いても解らない。事務所で面会申し込みを確認しても解らない。結局見間違えだろうなとなったそうです。Aさんは「××さんは車椅子だけど痴呆はなかった。認知症も始まったかな?」と思ったそうです。ところがそれどころではないことが起こって、××さんはその日の夜に急に亡くなったそうです。それでAさんは着物の人の話しはすぐにすっかり忘れてしまったそうです。

××さんが亡くなった数日後(あとで数えたら初七日だったかも。だそうです。Aさんは施設のレクリエーションで職員二人と八名の入所者と共に散歩をしたそうです。散歩と言ってもリハビリみたいに施設の周りを一周するだけだったそうです。人手が足りないので○○さんの車椅子は歩ける利用者のひとが押してたそうです。

その時Aさんの後ろの○○さんが「ちょっとちょっとAさんあの人ちゃうか?」と言ったそうです。窓に着物の人がこちらを見てる子供さんも一緒にいると言うそうです。でも言われたAさんが言われた窓を見ても窓には誰もいなかったそうです。Aさんは「××さんが亡くなったから神経が幻覚を見せてるのかも知れないかな」と考えたそうです。わかったと思いますが、○○さんはその日の夜突然亡くなったそうです。××さんも○○さんも地元民利用者でしたから立て続けにお葬式があったのはぼんやり聞いたことがあります。認知症のための幻覚なのか何か霊なのかわからないそうです。

ちなみにこの施設は身寄りがなくよその病院や施設から流れてきた入所者(ある意味手に負えない人)が多いそうですが、地元民利用者は家族の面会もあってみんなが悲惨でもなかったらしい。私の村(今は市)も先祖から住んでる家が多く、地元民利用者は遠い親戚関係だったり幼馴染みだったりしたそうです。Aさんも××さん○○さんの亡くなり方は眠る感じで苦しまず穏やかだったと。発見した夜勤職員に聞いたので、多少は怖かったけど大丈夫だったそうです。

そこの施設は病院が隣接してて、重い脳梗塞の後遺症で植物状態の患者が600床ものベッドにずらっと寝ていてみんな流動食みたいなの流し込んでるそうです。その中には交通事故などの事故で若くして植物状態になり、何年も入院してる患者もいるそうで、そんな若い患者さんの病室は親御さんが出来るだけきれいに自宅の自室風に飾っていて、80才や90才のお年寄りと同じ病室なのに一角だけ華やかで明るくて、それが余計に哀しい風情なのだそうです。

メールアドレスが公開されることはありません。