家の子供が物心がついたくらいの時に友達と一緒に虫を捕りに山に朝早く登った。前日に仕掛けたバナナの焼酎漬の罠を確認しようとした。仕掛けた現場に近づかなくと何やら砕くような音がしたらしい。そっと忍び寄ると真っ赤な猿が一匹、罠に集まった虫をかみ砕いていた。ヒッと誰かが恐怖を口にした。猿はゆっくり子供達を見据え瞬間、ニッと笑って山の中に消えて行った。その山には猿は出ない。が、狒々の化け物が出る。という言い伝えは残っている。言い伝えによると狒々は山の資源を食い尽くした。そして旅の侍によって追い払われたとのこと。
※狒々
狒々(ひひ)は、日本に伝わる妖怪。サルを大型化したような姿をしており、老いたサルがこの妖怪になるともいう。山中に棲んでおり、怪力で、人間の女性を攫うとされる。