【怖い話】煙の出る実のなる山の人が入ってはいけない領域

田舎の友人に聞いた話です。私の田舎は山に囲まれていて、本当に山里と言った感じのところです。子供の頃の遊び場は専ら山の中で、よく一緒に遊んだ友人の話。まだ、小学生の頃、その友人が一週間以上休んだことがありました。風邪の流行る季節でもなく、先生も欠席の理由について何も言わず、不思議だなと思った記憶があります。しばらくして、久しぶりに登校してきた友人は丸坊主で別人のようになっていたのです。その友人と私は帰り道が一緒の方向なので、帰り道に休んでいた理由を聞くことにしました。その日の帰り道、「一緒に帰ろうで。」と声をかけて帰りの道々に「なんで休んでたん?風邪?」と聞くと、友人は「まあね」とか「色々あって」と言いたくなさそうでしたが、そのうち「まあ、あまりいい話じゃないんだけどさ」と言いながら話してくれました。

「こないだの休みの時なんだけどさ・・」と友人が話した内容はこんな感じの内容でした。前の休みの時、暇だったので遊びに行こうと周りに声をかけたけどみんな用事や出かけていたりで、結局、一人で山に遊びに行ったそうです。その頃、「煙の実」と言う殻を剥いて息を吹きかけると煙が出る木の実を集めるのが私たちの間で流行っていて、その実を探しに行ったそうです。山道から少し外れた所を下を向いて歩いていると、いつもとは違う山道を見つけたそうです。「どこに行ってるんだろう?」と思い、その道を歩いて行くと、ちょっとした畑に出たそうです。畑といっても雑草がボウボウで、誰かが手入れしているようには見えなかったそうです。「何が植えてあるんだろう?」と思い、近寄ろうとすると、向かい側の藪からデカイ人が出てきて、友人を見て「どこのガキじゃ!食っちまうぞ!」と怒鳴られ、怖くなって大急ぎで逃げ帰ったそうです。帰ってから、家族にその話をすると、いきなりお祖父さんに引っ叩かれ、神社に連れて行かれて坊主にされ、灰塩とお神酒を掛けられたそうです。何がなんだか分からない友人にお祖父さんは「お前は入っちゃいけない所に行ったんだ。もしかしたら、攫いに来るかもしれん。しばらく家から出るな。」と言われ、学校も休んでたそうです。その後、私も山には人が入ってはいけない場所があると言うのを初めて聞きました。皆様も山に登る際は気をつけてください。

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